23

1
華丸2011/12/12(月) 00:29:06.57 ID:C73jG/nL0

まず、俺の簡単なスペックを。
現在21歳男
絵を描くことが大好きヲタメン。今は日常が熱い。
見た目はフツメン…なのかな?博多華丸(芸人)に似てるって言われるな。いわゆう濃い顔。
学生しつつ単発でイラストの仕事とかちょいちょいもらってる、駆け出しの絵描き。
通ってるのはフツーの一般私大。
初スレ立てでちゃんとできてるか凄い不安だけど
絵だけじゃなくて、今夢中になれてることがあるって人には是非聞いて欲しいな
とりあえず書きためてある分を書かせてもらいます



2華丸2011/12/12(月) 00:29:52.82 ID:C73jG/nL0

まず、話は高校時代までさかのぼる。
高校の時の自分は本当に平凡な学生で、よくも悪くも楽しく過ごしてた。
田舎の高校で田舎の高校生がフツーに学校に通ってる感じ。
部活のバレーボールが大好きで、ひたすらそれに打ち込んでた。
この時はまだ絵を描いていなかったよ

絵を描き始めるまでのエピソードがちょっと長いけど、すまん


5華丸2011/12/12(月) 00:31:54.67 ID:C73jG/nL0

高2の冬だったか、近所の高校で仲の良い女友達ができた。
誰に似てるかって言われると難しいけど、モデルの田中美保…
に雰囲気似てたかもしれない。あくまでも雰囲気だけねw
そこまで可愛くはないよ

当時通ってる塾が一緒だったから、自分が部活休みだったり早く終わった日には
一緒に帰って塾の自習室に行ってたんだ
そのときの俺は童貞だしウブだったけど、彼女はサッパリした性格で一緒にいてすごく落ち着いた
でも好意はなかったと思う。



7華丸2011/12/12(月) 00:34:26.99 ID:C73jG/nL0

あくまで俺は友達って感覚でいた。男女関係って意識が薄かったんだと思う。
ある日いつものように一緒に塾に向かってる時に言われた

美保「ねえねえ、今日ウチ来なよ」
俺「え、いいよ。家行くって…おかしくね?」

俺は怪しいと思った。あくまでそういう関係と思っていなかったし、当然断った。
美保「今日親いないんだよ~近くだし、別に深い意味はないしさw勉強教えて欲しいし」
絶対行っちゃいけない気がした


6名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 00:34:21.19 ID:NvyJItUj0

さて、1にちょっとだけ付き合ってみるか‥


10華丸2011/12/12(月) 00:36:24.44 ID:C73jG/nL0

>>6 ありがとう。

別に本当に何もないと思う。でもここで行ったら関係が変わる気がした。

ちなみに俺は高校まで電車通いだったから、この時俺の家に行くって選択肢は自然と出てこないんだよね。


13華丸2011/12/12(月) 00:38:24.55 ID:C73jG/nL0

「いや、行かないよ…」
美保「別にいいじゃんwあ、変なこと考えてる?いやいやないないw部屋の模様替えしたし見て欲しいだけw」
俺「まあちょっとだけ寄ってすぐ塾行くよ…」
俺は本当にちょろっと寄ってすぐ塾に行くつもりでいた。

でもこの判断が本当に間違いだった。この時のこの選択で、大袈裟かもしれないけど人生の道が少し変わってしまった


15華丸2011/12/12(月) 00:39:57.80 ID:C73jG/nL0

家には本当に誰もいなかった。平日18時すぎ…もうちょい遅かったかな。
家は真っ暗でガランとしていた。
なんか嫌な予感はしていた。
彼女は急に無口になって俺を部屋に誘導した。
女の子の家に上がるのは初めてのことではなかったけど、いやに緊張したのを今でも覚えてる。



18華丸2011/12/12(月) 00:42:15.48 ID:C73jG/nL0

部屋に入ると彼女の目付きが変わっていた。
彼女はずっと黙っていた。
すると急に押し倒された、どエライ勢いで。
「な、何…?」
急に怖くなった。
美保「なんで…そんなんなのよ…」
「え…?」


17名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 00:41:59.49 ID:4iRQ6zU90

美保とは塾で知り合ったのけ?


20華丸2011/12/12(月) 00:44:01.91 ID:C73jG/nL0

>>17
そう、塾で知り合った。だから近所なんだけど高校は違うんだよね。
塾の講義でたまたま近くに座って休憩時間に話して打ち解けて…
とかそんな感じだったと思う。


21華丸2011/12/12(月) 00:46:18.65 ID:C73jG/nL0

美保「いつも一緒にいるのに、どうして私をみないの?」
的なことを言ってた気がする。よく覚えていないんだが。
そのあと、彼女はすごい形相で俺の服をひき剥がした。
信じられない力に形相、抗うんだけどもう滅茶苦茶だった。


23華丸2011/12/12(月) 00:47:46.33 ID:C73jG/nL0

そして目の前で俺のケータイを真っ二つに折った。
美保「こんなものがあるからぁ…私以外を見ちゃう」
正直もう何も分からなくなってた。
彼女は泣きながら自分も服を脱いで発狂したようにひたすら俺を押してきた。
ちょっとこれ以上は書くのが辛い…すまん
要は逆レイ○されてしまったってことです


27華丸2011/12/12(月) 00:50:30.61 ID:C73jG/nL0

これだけ書くと羨ましいとか言う人もいそうだけど
当時の俺はこれが初体験…になってしまうわけでw
当時の俺はウブもウブ、男女関係にもっと綺麗な理想を描いてた。
この体験が、自分でも信じられないくらいトラウマになってしまった。
なにより信じていた異性の、あまりに猟奇的な本性を見てしまい、異性不信という状態に陥ってしまった。


30華丸2011/12/12(月) 00:52:50.11 ID:C73jG/nL0

無論、美保とはその後一切連絡をとることはなかった。
ストーカーとかになったら怖いという感覚もあったが、それからは一切向かうからも連絡がなくなった。
通ってた塾も俺は辞めた。


32華丸2011/12/12(月) 00:54:57.90 ID:C73jG/nL0

俺はこの日から3,4日メシが食えなくなって、点滴を打つために学校を休んだ
今思えば、どれだけショックだったんだろうなw
とにかく相談するにもこんなこと言うのも恥ずかしくて仕方がなかった。
体調が戻って久々に学校に行くことにした。
幸い、理数系の進学クラスみたいな所にいたので、クラスに4人くらいしか女子がいなかった。


34華丸2011/12/12(月) 00:57:33.92 ID:C73jG/nL0

その女子たちは勉強熱心で仏みたいな人たち(見た目も)でほとんど喋らないので、学校生活には思ったほど支障がなかった。
これが本当に救いだった
ただ後になってクラスメイトに聞いた話によると、久々に来た俺は本当に無口で人が変わったよう、だったらしいw


35名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 01:00:12.31 ID:NvyJItUj0

女子4人しかいねぇってw
工業系?


37華丸2011/12/12(月) 01:01:04.98 ID:C73jG/nL0

>>35 いやいや、理数系の特進クラスみたいなとこだったから、クラスには女子が4人だった。
学校自体には普通に女子いたよ。


38華丸2011/12/12(月) 01:02:07.75 ID:C73jG/nL0

放課後部活に行くと、同級のキャプテンがすごく心配してくれた。
今まで皆勤で、部活も休んだこと無いおれが4日も学校を休んだのですごく心配だったらしい。
ちなみにこのキャプテンは板尾創路に似ているので、板尾と呼ぶことにする。
クラスは別のクラスだ。
部活終わり、皆帰ったあとの部室。
板尾「お前何かあったのか…声もあんまり出てなかったし」
「い、いや…」


39華丸2011/12/12(月) 01:03:46.21 ID:C73jG/nL0

板尾「絶対何か落ち込むことあったろ?わかりやすいぞw
この板尾先生に言ってみなさいww」
板尾はこんな感じのノリの男だった。本当にいいやつなのだ。
それでいてけっこう女遊びもやんちゃなヤツで、そういうこともよく知っていたw
だから相談するなら絶対板尾だろう、と俺は思っていた。


41華丸2011/12/12(月) 01:06:50.54 ID:C73jG/nL0

俺は板尾に全てを話した。
板尾は何も言わなかった。ただ、泣いていた
俺も泣きながら話していたからだろうか。
この話で男二人して泣いてるって今思えばすごくおかしいんだけどw
高2のガキにとってはそれほどショッキングなことだった。


45華丸2011/12/12(月) 01:11:16.29 ID:C73jG/nL0

それからは、ただひたすらに部活に打ち込んだ。
すごく部活が楽しくて、色々忘れられた。

ただ、異性不信が思った以上に深刻で自分でも驚いた。
女子と顔合わせられなくて、話そうとすると動悸がして、吐き気が出るようになってた。
ただ、女子が好きという気持ちはもちろん強く生きていた。
だから恋もしたかったし、女の子とも当然話したかった。当たり前だよね。


46華丸2011/12/12(月) 01:12:46.42 ID:C73jG/nL0

女の子への想いは強まるのに、関わることができない。
その状況をどうにかしたかった。
板尾に相談した。
実はこの板尾という男、ナイスオタクで絵描きであるという一面もあった。

板尾の絵はすごい上手くて、デッサンからイラストなんでもできた。


48華丸2011/12/12(月) 01:14:46.41 ID:C73jG/nL0

板尾は俺にとんでもないことを言い放った。
でもこれが今の俺の、支えになってる。この一言が。
板尾「絵描こうぜ?一緒に。楽しいからさ」
「絵?いやお前が絵が好きなのは知ってるけど…」
板尾「お前の理想の女の子をさ、紙の中に落とし込めばいい」
板尾「青春の形なんて人それぞれだ。現実が今は無理なら、とりあえず絵の中に女の子を描いてみるってのはどうだ?」
非常にめちゃくちゃな事を言われた気がしたw


49華丸2011/12/12(月) 01:16:48.70 ID:C73jG/nL0

板尾「女の子を描いていくうちに、色々気付くこともあるかもしれない。
絵はひたすら自分の描いてるものと向き合うことだから。それで徐々に慣れていけばいいよ。そしたらいつか実際の女の子とも向き合えるようになるさ」
きっとこれは、板尾なりの優しさだったんだと思う。
きっと描いてる本人が一番絵の楽しさを知ってるから、俺も楽しめると思ったんだろう。


50名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 01:17:05.10 ID:+WZjBbfa0

板尾先生いい先生で本当によかったな
男なんだしありえないとか、男男っていって聞かないどころか
お前が襲ったんだろうと言い出す奴も少なくはないからな

だが…辛いな


52名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 01:18:56.91 ID:LUAD+j/xO

……そんなことが


53華丸2011/12/12(月) 01:20:00.38 ID:C73jG/nL0

みんなありがとう。


正直最初は面食らった。
絵を描くなんて思ってもいなかったからだ。
俺はまったく絵に関心がないというワケではなかった。
幼い頃はカービィとか描きまくってたし、
中学の時は授業中にヒカルの碁とかドラゴンドライブとかを模写して遊んだりもしてた。
でもやっぱり人間を描くのは難しくて、高校に行ってからは
まったく絵を描く習慣はなくなっていた。


54名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 01:21:41.75 ID:NvyJItUj0

もしかして>>1って今はけっこう有名な画家とかだったりして?


55華丸2011/12/12(月) 01:25:24.15 ID:C73jG/nL0

>>54 いやいや、そんなことはないよw
あんまり言っちゃうとストーリーのネタバレになりそうで現在のことは
あんまり言えないけど、どこにでもいる萌え絵描きだよ


56華丸2011/12/12(月) 01:26:30.24 ID:C73jG/nL0

板尾に、たくさん教本をもらった。
特に良かったのは「スーパーマンガデッサン」
これを元にひたすら絵を描き続ける日々が始まった。
描き始めは楽しくて仕方なかった。
上手くいかないことも多いけど、女の子を描くことはただ、ただ楽しかった。
蜜を舐めるかのように、どんどん絵を描くことにハマっていった。


58華丸2011/12/12(月) 01:31:35.17 ID:C73jG/nL0

高3の夏になって、板尾も俺もバレー部を引退した。
板尾は美大を目指す、と言ってその勉強を始めた。
俺は特進クラスにいたので、美大を志望にすることはできなかった。
とは言え絵のレベルもまったくそのレベルに達していなかった。

とにかく部活がなくなってある種空っぽになってしまったので
ひたすら絵を描くことを楽しんだ。
学校終わって某進衛星予備校行って受験勉強して、そのあと家で夜9時~午前3時まで絵を描く
そんな生活をしていた


59華丸2011/12/12(月) 01:35:46.99 ID:C73jG/nL0

異性不信はと言えば相変わらずの状態だった。
学校ではできるだけ他のクラスの女子に会わないようにしていた。
絵を描き始めて気持ちは晴れたが、板尾いわく
前より人に距離を置くようになったと言われた。

そんなこんなで板尾は美大受験、俺は絵を描きつつ受験勉強。
そんな感じで高校時代は過ぎていった。


60華丸2011/12/12(月) 01:39:50.21 ID:C73jG/nL0

俺は東京のフツーの一般私大に進学し、
板尾は東京の私立美大に進学した。
俺は大学に行ったら新しい環境で異性不信も減るだろう
と思っていたが、それが甘かった。

新生活でみんな浮かれているが、その波に乗り切れない。
異性と話すのは相変わらずダメで、部活やサークルもどうするかすごく悩んだ。


61華丸2011/12/12(月) 01:43:20.53 ID:C73jG/nL0

その時、大学でたまたま美術部のビラを見つけた。
「美術部か…」
もともと板尾だって俺が実際の女の子にまた向き合えるように絵を描くこと
を薦めてくれた。
同じ絵を描くことが好きな人達とだったら上手くやれるかもしれない。
そう思って俺はとりあえず美術部の部室を目指した。


64華丸2011/12/12(月) 01:48:32.26 ID:C73jG/nL0

「俺はいつからこんな人が苦手になったんだ?」
と色々なことを悩みながら。
部室棟の階段を登って美術部を目指した。

…結果から言って、想像しているのと違った。
新入生の女の子も一杯いたが、ウマが合わなかった。
ショックだったが、展示会を頻繁にやっているそうなので、籍だけ入れた。

しかし、この展示会のために籍を入れたのが、本当に、本当に、良かったんだ。



67華丸2011/12/12(月) 01:53:47.53 ID:C73jG/nL0

大学の美術部における展示会っていうのは
部内で有志を募って作品を集めて
いい感じのギャラリーを借りて展示会をする感じ。
俺は当然同人活動もするつもりでいたんだけど、展示会にもすごく興味があった。

なので籍をいれておいて、展示会には作品をだそうと思った。
結果的に、人付き合いは避けたってことになるんだけどね。


69華丸2011/12/12(月) 01:58:25.81 ID:C73jG/nL0

そして最初の展示会は6月だというので、それに向けて
さっそく作品を描くことにした。
最初の展示会だし、気合入れてみんなをビビらせようとも思った。

これと並行して、板尾のいる美大にも何度も潜りこんだ。
不思議と美大の連中とは楽しくやれる気がした。
板尾に人体デッサンとかパースみてもらって、ボコボコに言われたりしたw


72華丸2011/12/12(月) 02:02:18.80 ID:C73jG/nL0

大学デビューの4月5月にこんな感じだった。
みんな浮かれて、楽しんではっちゃける所だろう。

俺はといえばろくに自分の大学のヤツとは親しくならず
家に篭ってひたすら絵を描くことを繰り返し

美大に潜ってそこの連中と仲良くなったりしていた。
今思うとヒドイと思う。
自ら青春を放棄した感じもするが、この時はそんなこと忘れるくらい楽しくもあった。
またそれ以上に板尾がとても良い奴で、板尾と絵を語るのが楽しかった。


73華丸2011/12/12(月) 02:09:20.21 ID:C73jG/nL0

今でも覚えてる板尾宅での会話。
板尾「お前も随分上手くなったよなぁ」
「ったりめーじゃん!w6月に展示会だし、一発かまさないとな!w」
板尾「調子のんなよ人体の筋肉もまだろくに知らんクセにw」
「まあ大学でも女子と上手く話せないけどさ…」
板尾「…まあ大丈夫さ。きっといいことあるよ!」
「そうかな…」
板尾「勇気出して部活入ったじゃねえかwなんとかなるよ」

これがフラグだった。


74名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 02:11:33.72 ID:+WZjBbfa0

おっ?おっ?展開に期待


75華丸2011/12/12(月) 02:13:22.78 ID:C73jG/nL0

板尾は茶化しつつも色々アドバイスしてくれた。
俺も、なぜだか分からないけど6月の展示会にものすごく賭けてた。
今でもなんであんなに必死になっていたかはよく分からない。

そして6月の展示会の当日。
俺は慣れない風景画をデジタルで描いた。
搬入は朝、出品するその人自身で作品を会場に搬入する。


77華丸2011/12/12(月) 02:19:48.27 ID:C73jG/nL0

展示会の絵をめちゃくちゃ頑張れば、何か変わるような淡い期待をしていた。

でも、現実は厳しい。
展示会当日の朝はど緊張。
まず自分の絵を人前に初めて晒す。
そして、部員と協力して会場を設営しないとならない。
まさに二重苦。怖くて仕方ない。

入部して二ヶ月なのに大体の人が初対面w
ただ、部長が優しくて助かった。部長は女性だった。
部長「華丸君初めて見たなーwイイ絵描くね!」
「ええ、まあ…」
この時点で凄い動悸なのである。耐えられない。


78華丸2011/12/12(月) 02:26:08.06 ID:C73jG/nL0

今日は明け方まで書こうと思います。それで終わらなければまた明日の夜に。

部長は優しい。分かってはいることである。
でもダメなのである。俺は会場のギャラリーのトイレに駆け込んだ。
どうして。
落ち込みつつ会場に戻ると
部長「華丸君今日体調悪そうだねー」
部長「シフト、午後からだから。それまで一旦大学戻って仮眠しなよ」
「はい…」
ありがたかった。俺は一旦大学に行って寝ることにした。
まったく面倒なヤツである。
午後から展示会の受付のシフトがある。二人一組。一体誰と一緒なのか…女子だったら…


79華丸2011/12/12(月) 02:34:31.29 ID:C73jG/nL0

午後、会場に戻るとそこにいたのは、おちゃらけたタメの一年だった。
ココリコ遠藤に似ていた。
遠藤「お!はじめましてかな?」
「(男か…よかったわ)そうだね、初めましてだね」
遠藤「おうおう!今日シフト一緒みたいだしよろしくな!」
「よろしく!」
遠藤「なんか華丸の絵けっこう人気みたいだぜーwアンケートにもけっこう書かれてるし」
「えっマジか」


82華丸2011/12/12(月) 02:40:14.77 ID:C73jG/nL0

これは素直に嬉しかった。
板尾以外に自分の絵を見てくれる人がいるのも嬉しかったが、
自分の絵を気に入ってくれる人がいることが嬉しかった。
そして、そこに思いもよらぬ展開があった。

受付と言っても割と暇なので、俺はせまいギャラリー内をフラフラしていた。
俺の絵の前で立ち止まってる女の子がいた。

「うわ、俺の絵の前でずっと立ち止まってる…」
そしてその子はぼそっと「これいいな」と言って
俺の絵を写真に収めた。(撮影おkなので)


84華丸2011/12/12(月) 02:43:24.07 ID:C73jG/nL0

(うわ…どうしよう言いたいわ。それ俺が描きましたって言いたい…)
すごく悶々とした。こんなことは初めてだった。
目の前で自分の絵を気に入ってくれた人がいる。
でも女の子だったし俺はすごく話しかけるのに戸惑った。
制服を着ていたし明らかにJKであることは分かった。


88華丸2011/12/12(月) 02:51:27.13 ID:C73jG/nL0

すると向こうから来た。
その子は胸が大きい子だった。なのでそに子と呼ぶ。
そに子「あの…この絵描いた人って今ここにいますか?」
「(…!!)あ、それは…自分が…」
そに子「え、あなたが…すごいですね…!何使ったんですか?」
「え、えとデジタルで…ペインターとSAIで…」
もう、頭がクラクラしてどうにかなりそうだった。
今この状況が信じられない。


92華丸2011/12/12(月) 02:57:25.26 ID:C73jG/nL0

よく覚えていないが、信じられないくらい質問攻めにあった気がする。
向こうも自分も顔真っ赤だったんじゃないだろうか。

そに子「また、明日も来ますね…!!」
そう言ってそに子は去った。展示会は二日間だったのだ。
ちなみに俺は二日目もシフトがあるようだった。

遠藤「ちょっとなんすか今のJK~?」
ここで遠藤である。
「いや、初対面で…なんか俺の絵が良かったらしくて…」
不思議と、俺はこの時は動悸はあったが吐き気を催さなかった。
遠藤「で、連絡先聞いたんスか~?」
お前はその喋り方をどうにかしろ。
「いやいや、そこまでしないだろ普通…」
遠藤「ふーん…」

しかしこの遠藤がやってくれるのである。
ちなみに二日目のシフトもコイツと一緒だった。


96華丸2011/12/12(月) 03:04:39.98 ID:C73jG/nL0

展示会二日目。
二日目も割と盛況のようだった。
シフトはまた午後。
俺は一日目ほどの緊張はなく、なんだかゆったりとやれた。
でも部員の女の子と話すのは避けていた。

遠藤「おっす!昨日の子来るといいねww」
「お前はまだそんなことを…」
遠藤「なんか楽しいんだもんwってかずるいww」


97華丸2011/12/12(月) 03:09:38.67 ID:C73jG/nL0

その時ギャラリーは静かだった。
受付の俺ら二人と、見てる方一人だけ。

遠藤「お、あの子来たぞ…」
入り口付近で遠藤が囁く。
(うるさいやつだなぁ…)
そに子「こんにちは…」
遠藤「昨日も来てくれましたよね、ありがとう」
そに子「はい、素敵な展示なので…」
遠藤の対応は予想以上に紳士的だった。


98華丸2011/12/12(月) 03:13:51.67 ID:C73jG/nL0

「こ、こんにちは…」
笑ったつもりだったけど声すら出てなかった気もする、今となっては。
そに子「こんにちは、実は今日何回か来てたんですwやっと会えたw」
遠藤「そこまでして華丸に会いたいのかよーw」
そに子「い、いえ…」
正直、この時既に動悸起きすぎて氏ぬかと思ってた。


99華丸2011/12/12(月) 03:21:20.20 ID:C73jG/nL0

耐えられなかったので、とりあえず展示の中に誘導した。

「お前何いってんだよ…」
遠藤「いいじゃない、もうファンだよ、ファンw」
でもファンって響きは良かった。

そに子「それじゃ…良い展示でした。ありがとうございました…」
「あ、はい…」
遠藤「あ~ちょっと待ってよ!君高校生?」
そに子「はい…受験生です…」
そに子「でもこの〇〇大学さんの展示すごくよかったです。
ちょっと大変ですが頑張って絶対〇〇大学に来ます!」
遠藤「あ、おう、それはありがたい…」
遠藤が、ちょっとひいた。
そに子は顔を真っ赤にしている。なぜそんなことを言ったのか…


102華丸2011/12/12(月) 03:26:41.17 ID:C73jG/nL0

そに子「華丸さんの絵すっごく気に入りました。私もああいう絵描きたいです」
「あ…いや…ありがとうございます…」
遠藤「わざわざ二日間来てくれる人なんて、きっといないよねー」
遠藤「せっかく来たんだし、連絡先くらい交換したらどうなのよ?」
遠藤のぶっぱが炸裂した。
そに子「いや…でも悪いですよいきなり」
「だよね…」
遠藤が俺の足を踏む。


103華丸2011/12/12(月) 03:31:25.44 ID:C73jG/nL0

(いって…なんだ?)
まあその足踏みが何を言ってるのかは分かった。
「じゃあ…アドレス交換…しとく?これも何かの縁だし」
そに子「いいんですか…ありがとうございます…!!」
まさかこんな事になるとは思わなかった。
高2のあの日以来、初めて新たにできた女友達だった。

そに子「また連絡します!絵のこと教えて下さい!」
そに子は笑って帰った。
遠藤「……」


104華丸2011/12/12(月) 03:38:24.71 ID:C73jG/nL0

遠藤「く、俺とも連絡先交換してくれると思ったのに…」
「いやそれはねーだろ」

遠藤「だってJKだよ?いいなあ、おかしいよ…」
確かにオカシイ。今自分の身に何が起きてるかよくわかってなかった。

俺は興奮してたのか、その日の作品搬出の作業で貧血で倒れそうになったので
ほとんど力になれなかったw
結果ずっと遠藤と話していた。と言うか搬出に男が遠藤しかいなかった。


105華丸2011/12/12(月) 03:45:58.06 ID:C73jG/nL0

でもこの出会いは、すごく嬉しかった。
異性不信だった俺が凄く頑張れた、って本当に前向きになれた。

その後喜んで板尾に報告した。
板尾「やったじゃねえかwwきっとお前にとってその子は
どんな形であれ重要な存在になるよ。ゆっくり向きあっていきなよ」
「え、でもどうしようwwJKだよwww」
板尾「焦る必要はないよwwそれに来年同じ大学になるかもしれないんだろ?w
ゆっくりメールでもしてろよ」


106名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 03:47:30.63 ID:P77FgRo90

高校部活やってて貧血とは・・・えらく作品製作に根詰めたな


107華丸2011/12/12(月) 03:48:52.97 ID:C73jG/nL0

>>106 そうなんだよ、とにかく大学に来てからの俺は貧弱の極みなんだよね。


108華丸2011/12/12(月) 03:54:32.89 ID:C73jG/nL0

それからそに子と俺はちょくちょくメールをやりとりする仲になった。
割と定期的にって感じかな?でも会うことはなかった。
久しく女の子とメールなんてしてなかったけど、メールだと本当楽しく話せた。
どうやら彼女は本気で俺のいる大学を目指すことにしたらしい。

俺はといえば、板尾と一緒にコミケに申し込んで、
本格的に同人を始めることにした。
それが、大学1年の夏だった。


109華丸2011/12/12(月) 04:00:32.50 ID:C73jG/nL0

俺はそれから板尾と一緒にコミケに向けて頑張ることにした。
各自一冊ずつ本を刷ろうってことにした。
板尾は上手いから個人でイラスト本刷っても多分全然イケる。
でも俺はまだまだ…って感じだった。

板尾は親友だけどそれ以上に憧れや妬みもあった。
板尾くらい上手く描きたい…そう思った。


113華丸2011/12/12(月) 04:07:03.45 ID:C73jG/nL0

この頃割と板尾に対してただの親友って感情以外も、
絵に関わると妬みとかの感情も抱いてた。
馬鹿だなぁって今になって思う。俺は馬鹿だった。
でもちょっと上手くなってきて初心者の頃と違うから、
色々分かっちゃうんだよね。それが辛かった。
大学1年の夏~秋は毎日泣いて絵を描くこともあった。

板尾に追いつきたいって、すごい必死だったとおもう。
絵を描くのが辛かったな、この時は。
もう当初の目的とかも忘れてたよ。


112名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 04:05:21.58 ID:P77FgRo90

いきなり一冊はきついだろ?

ページ数決めて、イラストの質上げるほうが良いと思うけど


114華丸2011/12/12(月) 04:08:51.48 ID:C73jG/nL0

>>112 まあそうなんだよね。過去の俺に言ってやりたいw


115名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 04:09:58.02 ID:GQSvVsZpO

今言われてもねw

この頃は1日何時間くらい描いてたんですか?


117華丸2011/12/12(月) 04:14:51.64 ID:C73jG/nL0

>>115 大学サボることもけっこうあったし、一日10時間は描くようにしてたと思う。
でもその割に全然上手くならないから焦ってたんだと思う。


116華丸2011/12/12(月) 04:13:00.41 ID:C73jG/nL0

俺にとっては、絵に関して言えば板尾が全てだった。
板尾がいなきゃ絵に出会えなかったし、立ち直ることすらなかったかもしれない。
だからこそ壁に感じてしまった。
板尾「そんなに焦らないで、自分なりの絵を探せばイイよ」
そう言ってアドバイスしてくれた。
でもそれすらも焦れったく感じた。
よく、優等生な兄弟に劣等感抱く人とかいるだろ?
多分そんな感じだったんだと思う。
必死こいて、板尾がびっくりするような本を描こうと頑張った。


118華丸2011/12/12(月) 04:18:54.21 ID:C73jG/nL0

この時、俺は辛くなった時、板尾じゃなくて
割とそに子にメールとかするようになってたと思う。
元々絵がきっかけで知った子だったし、絵のことを相談しやすかった。

そして、コミケには落ちていた。板尾は落選した。
サークル参加はできなくなった。
なので、板尾の大学の友人のスペースに委託で本を置かせてもらうことにした。
サークルチケットも3枚あるので、俺と板尾と板尾の友人の3人で
売り子はできそうだった。


119名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 04:22:31.98 ID:CQ6F6M0FO

凄く青春って感じ
青年時代に好きなこと目一杯やるのが青春だ


120華丸2011/12/12(月) 04:25:06.76 ID:C73jG/nL0

初めての同人誌制作はなかなかキツかった。
板尾に色々教わりながら、印刷所のことや原稿の形式とかを覚えた。

ジャンルは創作だった。これは絵を描き始めた時から決めてた。
オリジナルの女の子を描く。
俺は20ページ、オンデマンドでフルカラーのイラスト本を刷った。
50部。果たしてはけるのか。
板尾はオフセットでフルカラーのイラスト本を100部。
お互いはけるかどうか凄い不安だったと思う。


122華丸2011/12/12(月) 04:28:15.52 ID:C73jG/nL0

今思うと、なんでこの時二人で合同本を出さなかったのか
それが今でも分からない。
自然にそうなってしまって…この時は二人で個人本を出すことになっていた

そに子は、なんとコミケに来てくれると言った。
実はあれから一度も会っていない。
こっちは絵を描くのに必死だし、こっちから会おうなんて言わないし…
向こうは向こうで受験勉強ですごく忙しそうだったからだ。


125華丸2011/12/12(月) 04:34:42.06 ID:C73jG/nL0

コミケの直前、12月の終わりくらいに嫌なことが起こった。
俺はコミケムード、そに子のこと、完全に浮かれていた。
アイツから連絡があったからだ。
1年半も音信不通だったのに。


126華丸2011/12/12(月) 04:37:12.44 ID:C73jG/nL0

美保「久しぶり、元気?」

メールだった。
ちなみに俺は中3の頃からアドレスを変えていない。

なぜこのタイミングで…?
俺はとにかく嫌な予感がした。
返信を返すべきか、2日くらい迷ったと思う。


128華丸2011/12/12(月) 04:41:22.44 ID:C73jG/nL0

それと同時に、コミケ前だというのに凄く体調を崩した。
メシが食えなくなった。あの時と同じである。
トラウマって、やっぱすげーんだね。

さらに、知ってる人は知ってると思うんだけど
この年のクリスマスイブにフジファブリックってバンドのボーカルが亡くなったんだよ。
すっごく好きなバンドだったから俺はそれも凄いショックで、
クリスマスは家で一人で寝込んでたんだよ。
本当この年のクリスマスは色々と最悪だった。


130名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 04:43:50.16 ID:P77FgRo90

しかし、怖ええ女だな


131華丸2011/12/12(月) 04:47:56.79 ID:C73jG/nL0

とりあえず俺は、
「元気にしてるよ」
とだけ返しておいた。返信しないならしないで角が立ちそうだったからだ。
でもこの選択でのちのち色々面倒なことが起こるのだが…

俺はこの時初めてそに子に電話してみた。
勇気を出して電話したと思う。それほど何かにすがりたかった。

書くほどでない内容のことを話しただけだと思う。
勉強頑張ってる?とかコミケなんて来て平気?とか。
そに子はひたすら、「なんとかなるんだよ」
としか言わなかった。
この時のこの一言にすごく元気づけられたのは今でも覚えてる。


135華丸2011/12/12(月) 04:54:40.07 ID:C73jG/nL0

「異性不信」だった俺を、そに子が現れたことによって
ただの「美保不信」に変えてくれたのかもしれない。

とにかく俺の中でそに子の存在はどんどん大きくなっていった。
そう、もうこの時点でだいぶ異性不信はイイ方向に向かっていた。
あの時、美術部に思い切って籍を入れて良かった。
展示会に出て良かった。


136名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 04:54:53.70 ID:CQ6F6M0FO

1の文章が上手い故にトラウマ女に吐き気をもよおして来たが最後まで見るぞー


137華丸2011/12/12(月) 04:58:55.81 ID:C73jG/nL0

>>136 ありがとう。

俺はそに子のお陰でなんとか点滴を打つまでにならずに済んだ。
病は気からとはまさにその通りだ。
今は板尾もいるしそに子もいる。なにせ絵だってある。
俺は意気揚々とコミケ当日を迎えた。

自分の本が早く見たい。苦労して描いた。
どれくらいの人が俺の本を見てくれるかな。
憧れの作家さんに会える。
そに子は本当に来るのかな。

もう、なんていうか楽しみなことしかなかった。


138華丸2011/12/12(月) 05:06:33.56 ID:C73jG/nL0

ビッグサイト到着。
みんな大好き国際展示場である。

俺、板尾、板尾の友人の三人は、サークル参加。
サークル入場だからスムーズに入れるのである。
やぐら橋の前にはものすごい数の人の群れがある。

板尾「うはwwwこれ全部一般参加かwwwすごいなwww」
友人「あっちにはホストっぽい集団もいるよ…あれオタク?」
「色んな人がいるんだね…w」
見た目完全なオタクからホストっぽいイケメン集団まで、なんていうか本当に
色んな人がいた。なにより人の多さに圧倒された。


140華丸2011/12/12(月) 05:12:27.80 ID:C73jG/nL0

スペース…!!俺達のスペース…!!
俺たちは創作ジャンルだったから西だった。
とりあえず机の上にあるビラをどけて、椅子を下ろして…
スペース作り。俺も板尾も興奮気味。
板尾「ちょwwwダンボール来てるww俺の本www」
「落ち着けよwwあ、俺のもあるよ!ww」
友人「…w」
板尾の友人は経験者なので、至って冷静だった。


142華丸2011/12/12(月) 05:17:37.32 ID:C73jG/nL0

コミケ行ったことない人は分かりにくいかもしれないけど
コミケはサークル参加者ってのがいわゆる本を売る側。
スペースって言って自分たちの場所が与えられてそこで本を売る。

一般参加者の人たちはそれを購入しに来る人達のこと。
ちなみに俺と板尾はこのコミケの前の夏コミに二人で一般参加した。
板尾はひたすら創作を、俺は創作ととらドラとかの同人を漁った。


143華丸2011/12/12(月) 05:24:48.83 ID:C73jG/nL0

初めて自分の本を見た時の感動はすごかった。言葉に出来ない。
これが…これが俺の初めての本…呆然とした。

その後俺は、コミケが開場する前の準備時間にひたすら憧れてる
作家さんのところに挨拶へ行った。
絵を描く上で影響になった人は数多い。

そして、スペースに戻って
「おい、板尾」
板尾「お、どした…今ポスタースタンド立てるのに手こずって…ハァハァ」
「いつもあなたの絵見てます、憧れです。これ、僕が描いた本です、良かったら…」
板尾「なにそれwwww」
「」
板尾「はいはい、ありがとう。これ、俺の本。俺だって華丸の絵は好きだよw」

俺たちは何やってんだw


144名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 05:26:24.94 ID:GQSvVsZpO

師とライバルと友人全て兼ね備えてる板尾いいなぁ


145名も無き被検体774号+2011/12/12(月) 05:26:42.85 ID:Speg+5ny0

あほかわいいなww


154華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 16:23:35.35 ID:C73jG/nL0

とにかく、俺と板尾にとっては初コミケってこともあって本当に緊張だった。
スペースの準備が終わると、いよいよコミケ開始である。
「…只今より、コミックマーケットを開催致します」
パチパチパチパチ…!!
場内アナウンスと共にコミケが始まった。

板尾「うおお…始まるんだな…」
「こええ…」


155華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 16:28:35.17 ID:C73jG/nL0

「…ォオオオオ……!!」
遠くから地鳴りのようなものが聞こえる。
板尾「これが…俗に言う…!開幕ダッシュ…!!」
友人「なんだよそのテンションw」

こういったものを味わえるのもサークル参加の面白いところであった。
果たして、俺たちの本を買ってくれるお客さん第一号はどんな人なのか。

ドキドキ…女性がいるわけでもないのにやたら動悸がした。
正直けっこうしんどかったけど、板尾たちには黙っていたのはいい思い出だ。


157華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 16:39:30.67 ID:C73jG/nL0

開幕して5分、10分…くらいだったか。板尾は割と自身のサイトでも宣伝していたことがあり
早々に一発目が売れた。
俺・板尾・友人「ありがとございます!」
人のよさそうなお兄さんが買っていった。

板尾「おお、お…売れたぞ…この手で…直接…売った…」
板尾は感極まっているようだった。


158華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 16:44:18.55 ID:C73jG/nL0

俺もただ感動していた。
本当に、自分の絵を気に入ってくれた人に
直接向い合って、直接自分の作品を渡す…

板尾はやっぱり繁盛で、すぐに二人目が来る。
「板尾さん…ですか?いつもサイト拝見してます…」
俺たちと同年代くらいの、若い男の子だった。
板尾「マジですか…ありがとうございます…!」

その時の板尾の笑顔がとても嬉しそうで、今でも時々フラッシュバックする。


163華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 16:57:31.26 ID:C73jG/nL0

俺は予想以上に落ち着いた。
このまま仮に一部もはけなくてもいいな、なんて思い出したのを
今でもよく記憶してる。

でも、そんなことはなかった。
俺はこの時サイトやPIXIVで雀の涙ばかりの宣伝をしていた。
それが功を奏したのか。

俺より一回りの歳の離れた男性だった。
客「あなたが華丸さん…ですか。新刊一部お願いします」
「え、おお…は、ハイありがとうございます…!」


165華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 17:02:15.55 ID:C73jG/nL0

客「楽しみにしてました(ニコッ」
そう言ってその方は去っていった。
記念すべき、初めてのお客さん。
この記憶はもう一生忘れられないだろう。

「ちょちょ…み、見た!?俺の本!!売れた!売れたよ!!」
板尾「良かったなあ。ほんと、俺たち頑張ってよかったなあ」

自分の描いた絵を、誰かが確かに見ていてくれた。
その事実が本当に嬉しくて、感極まった。

この時の体験が、のちの俺を支える本当に貴重な体験だった。


168華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 17:08:24.62 ID:C73jG/nL0

なんやかんやで、板尾の本はペースを保ち続けて売れていった。
流石である。
俺はといえば鳴かず飛ばずかと思えば、案外ぼちぼち売れていった。
昼過ぎ…くらいだったか。

そに子が来た。本当にきてくれるなんて…
実に半年ぶりの再会であったが、すぐに気付いた。
ドキッとした。でも普段の動悸とは違うものだってすぐ分かった。


171華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 17:13:56.43 ID:C73jG/nL0

彼女自身、けっこうなオタでコミケには来ようか迷っていたらしい。
そして俺もいるし、結局来る決心をしたんだとか。

そに子「新刊一部、ください」
彼女は笑いながら言った。
俺も吹き出して、
「いやいや、お金はいりません」
なんて言ってそに子に本を渡した。
そに子「うわ、すいません…ありがとうございます…」
急に真面目になるそに子。


172華丸 ◆vk8BsG8fow 2011/12/12(月) 17:19:31.82 ID:C73jG/nL0

板尾「これはこれは、可愛らしいお客さんだね。知り合いなの?」
「いや、ほら、いつも言ってる…」
板尾はすぐに察してニヤッとした。
そに子は赤いマフラーを巻いていたが、そのせいか顔も赤くなっているように見えた。

板尾「あなたがそに子さんか…!話は聞いてるよ。
これ良かったら俺の本、あげるよ」
そに子「あ、とっても上手い…!!」
%E

「オススメ」記事一覧


「人気記事」ランキング

      「この記事」を読んだ人はこんな記事も見てます。